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はじめに:VEXTANTが向き合いたいこと

私たちは「VEXTANT」という名前で、ひとつのブランドを始めようとしています。

この名前は、「V(Voice/声)」と「EXTANT(まだ存在している、絶滅していない)」という2つの言葉から生まれました。デザインを軸にしたECアパレルブランドとして、プロダクトと配送についてはPOD(Print On Demand)のプラットフォームを活用しています。そして各アイテムの売上の5%を動物福祉団体に寄付する仕組みを組み込む予定です。

ただし、これは実績のある団体からの発信ではありません。ストアはまだ開いておらず、コレクションも寄付先も準備段階にあります。何かを成し遂げた立場からではなく、これから何かを始めようとしている立場から、このブログを書き始めることにしました。

立場を明確にしておきたい

私たちは動物福祉の専門家ではありません。獣医療の知識も、保護活動の現場経験もありません。本来の専業であるアパレルやECビジネスを通じて、寄付という形で関わろうとしているに過ぎない、というのが正直なところです。

だからこそ、最初に確認しておきたいことがあります。専門的な立場を持たない人間や事業者に、実際どれだけのことができるのでしょうか。この問いへの答えを、私たちはまだ持っていません。持っていないまま始めることを、ここで正直に書いておきたいと思います。

データで見えること

私たちの拠点である日本の現況として、環境省が公開している統計資料によれば、令和6年度(2024年度)の犬・猫の殺処分数は合計6,830頭(犬1,964頭、猫4,866頭)でした。平成16年度(2004年度)の394,799頭と比較すると、20年間で約98.3%の減少にあたります。

数字の推移だけを見れば、明確な改善が続いていると言えそうです。年度ごとの環境省の集計を追う限り、この減少傾向は一時的なものではなく、長期にわたって一貫しています。

一方で、この統計は都道府県別の内訳も公開しており、地域差が大きいことも読み取れます。全国合計の数字が改善し続けている裏で、特定の地域に処分数が偏って残っている構造が、この一次データからも見えてきます。全体の数字が良くなっていることと、個々の地域や現場が抱える状況が均されていることは、別の話なのではないでしょうか。

また、少し調べてみると、動物福祉を取り巻く状況は「良くなっている部分」と「変わっていない部分」が入り混じっていることが見えてきます。

日本では犬猫の殺処分数は大きく減少してきていて、大きな前進です。ところが、全国の保護団体59団体を対象にした調査では、76%が「保護活動における課題は減っていない、またはむしろ増えている」と回答しています。保護理由の内訳を見ると、これまで最も多かった「野良犬・野良猫」を、「飼い主の高齢化・入院・死亡による飼育困難」が上回りました。つまり、保護犬猫の問題は、動物福祉だけの話ではなく、高齢化や経済的な困窮といった、人間社会の課題と地続きになりつつあるということです。

アメリカでも似た構図があります。2025年、シェルターに収容された動物の内訳は、野良が59%、飼い主からの引き取りが30%でした。譲渡(アダプション)数は420万件に増え、明るい兆しもある一方で、飼い主のもとへ戻れた動物の割合はむしろ3%減少し、現場のキャパシティ不足は今も続いています。

数字だけを見ると「改善している」ようにも見えますが、現場の負担感は必ずしも軽くなっていない。この「見えているデータ」と「現場の実感」のギャップこそ、私たちが継続的に注目していきたいところです。

何ができるのか、まだわかりません

ここで安易に「だから私たちにできることがある」と結論づけるのは、避けたいと思っています。専門知識も現場経験もない立場から、寄付という間接的な関わり方ひとつを取っても、それが実際に効果的な支援になっているかどうかは、寄付先の選定や、その後の使途を追い続けることでしか確かめようがないからです。

おそらく、同じように感じている方も少なくないのではないでしょうか。何かしたいと思いながらも、専門家ではない自分に何ができるのか分からず、一歩を踏み出せずにいる。私たちも、そうした大勢のうちの一人であることに変わりはありません。それでも、まずは手探りで始めてみたいと思っています。

このブログについて

今後もこうした公的機関の統計や、動物福祉を取り巻く事実関係をできる限り一次情報にあたりながら記録していきます。またブランドとしての進捗も、都合の良い部分だけでなく準備段階の実情を含めて「VEXTANT Field Notes」として書いていくつもりです。

出典

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