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PODと寄付モデルの可能性

このプロジェクトを始める際に「POD(プリント・オン・デマンド)と動物福祉への寄付を組み合わせるというやり方について、どの程度の実現可能性があるのだろうか?成功事例はそれほど多くないのでは?と、なんとなく思っていました。

でも、少し調べてみると、雰囲気はだいぶ違いました。世界には、動物のための寄付をビジネスの仕組みに組み込んだアパレルブランドが、想像していたよりずっとたくさんあったんです。

意外と、たくさんある

たとえば、LOVE BRAND & Co.というビーチウェアブランドは、創業以来、収益の一部を野生動物保護や自然保全のプロジェクトに寄付してきたと説明しています。ただし寄付率や寄付先は、時期やキャンペーンによって変わるようです。Ivory Ellaは、純利益の10%をSave the Elephantsなどの団体に寄付していると公式に説明しています。Animal Hearted Apparelは、各注文の収益(proceeds)の25%を、非営利のシェルターや保護団体に還元していると案内しています。

寄付先も、野生動物保護から地域のシェルターまでさまざまですし、寄付率の基準(収益・利益・proceeds)や、常に同じ条件が適用されるのかどうかも、ブランドによって少しずつ違うようです。それでも、それぞれのブランドが、自分たちなりの動物への向き合い方を見つけて、ビジネスの形にしているんだな、と感じます。

数字の中身は、実はけっこう違う

ここで少し立ち止まって気づいたのは、「寄付率」とひとくちに言っても、その中身がブランドごとにかなり違うということです。

「売上(収益)の◯%」と「利益の◯%」、あるいは「proceedsの◯%」では、実際にお客様が支払った金額のうち、どれくらいが寄付に回っているのか、意味合いがかなり変わってきます。利益ベースの寄付は、率の数字だけ見ると大きく見えても、原価や経費を引いたあとの金額が基準になるので、実際の金額感はブランドの原価構造次第で大きく変わってしまいます。

もうひとつ気になったのは、価格の見え方です。商品価格そのものは手頃に感じられても、そこに送料がどう含まれているのか、あるいは含まれていないのかが、パッと見ただけでは分かりにくいケースが少なくないように感じました。これは各ブランドを批判したいわけではなく、単純に「お客様が最終的にいくら支払い、そのうちいくらが寄付に回るのか」を追いかけるのが、思った以上に難しい、という発見でした。

VEXTANTは、あえて分かりやすい形にこだわりたい

だからこそVEXTANTでは、少し違うやり方を選んでいます。

送料込みの均一価格で商品を提供したうえで、寄付は「お客様が実際にお支払いいただいた金額(送料込み、関税や国別のVATは除く)」の5%を基準にする、という仕組みにしました。利益でも、proceedsでもなく、あくまで「お客様が支払った金額」を基準にすることで、送料や価格設定によって寄付額があいまいになるのを避けたいと考えています。

正直、これは自分たちにとってはチャレンジングな設計です。送料をあらかじめ価格に織り込む必要があるので、利益を圧迫しやすいですし、地域によって実際の送料は変わってきます。それでも、寄付の基準をできるだけシンプルで分かりやすい形にしておきたい、という思いを優先しました。

後発だけど、日本からやってみる意味はある

こうして見渡してみると、「PODと寄付を掛け合わせる」という発想自体は、もう世界のどこかで実践されている、いわば実証済みのやり方なんだと思います。だとしたら、日本からそれを試してみることには、それなりの意味があるんじゃないでしょうか。そして日本にも、動物のためのチャリティー付きアパレルやグッズは、すでにいくつも存在しています。

たとえばPawfect Projectは、日本発のPODプラットフォームである「SUZURI」で販売しているTシャツやグッズの利益を全額、「かながわペットのいのち基金」へ寄付しています。2025年6月にデビューしたPawssは、受注生産のTシャツブランドとして、売上の10%を全国の動物保護団体へ継続的に寄付する方針を掲げています。

つまり、この分野において私たちは後発です。それでも敢えて挑戦する理由、他との違いやアドバンテージを挙げるとすれば、次の2点だと思っています。

  • 大手ECモールのプラットフォームは利用せず、自社構築のwebサイトによって抑えることのできる手数料コストを寄付にまわすことが可能
  • 上記理由により制約のない形で、販売先を日本国内に限定せず、世界を対象にできること

大きな実績があるわけでも、確立されたやり方があるわけでもありません。それでも、すでに同じ方向を向いて歩いている人たちが世界にいると知ると、少し心強くなります。

これからも、こうして見つけたことを、ここVEXTANT Field Notesで少しずつ書き残していこうと思います。

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